ヤッター先生コラム vol.6「 授業がうまくできるコツを教えてください。」

【公開日】2025年12月

ヤッター先生の経歴:矢田 雅久氏。都内公立で43年間教職を執り、その間、2校で14年間校長を勤める。また、東京都で教育研究員・教員研究生・開発委員、品川区で校長会会長・就学相談委員長等を歴任。現在、品川区教育委員会で教育アドバイザーとして勤務。※こちらのコラムでは学校の先生からいただくお悩みに対して、ヤッター校長先生にご回答いただいていますが、ご紹介する回答内容が全ての場面や児童に対して有効であるということではありません。お悩みに対する対応方法は児童やクラスの実態により大きく変わるため、ここでは、取り入れていただきやすい具体的な対応策を挙げていただきましたので、ご参考にしていただけますと幸いです。

授業がうまくできるコツを教えてください。

教科によって、また、学年によって授業のコツは変わりますが、ここでは、全てに共通した基本的なものをいくつか紹介します。良い授業ができるベースは、大前提として、規律ある学級経営ができているかどうかにかかっていることも忘れてはなりません。

1.【始めと終わりの時間厳守】

①開始の時間を厳守するには、少なくとも開始30秒前までには椅子に座り、準備していることが大切です。児童がそれを守ることができれば教師も必ず終了時刻を厳守するのは当然です。勿論、全員が黙ってそろって挨拶をします。
②机上は事前に次の学習の用意をさせるというのが一般出来ですが、私は机上がごちゃごちゃとなるので、シンプルに最初は何も置かせず、必要なものはその都度机上に出し、不必要なものはしまわせるように私は指導していました。

2.【黙る、聞く、見るの徹底】

教師や級友が話したり発表したりしている時には、黙って、話し手の方をよく見て聞くことを徹底させます。話し手の方をよく見ているかを確認するには、教師が教室の左右前後に動いて、児童の頭の動きがそれに合っているかを確認します。
教師の言葉に反応した複数の児童が自分勝手に発言し、教師もそれを受けてフリートーキングのように進めている授業は、一見楽しく円滑に授業を進めているように見えますが、よく見ると、教師と5~6人の児童だけで授業が進んでおり、多くの児童が参加しておらず、他のことをしている場合が多々あります。このようなことを続けていると、学級全体にけじめや規範意識がなくなるとともに、多くの児童が置いていかれてしまっています。
いつでも完全にとはいきませんが、黙る、聞く、見ることを、できるかぎり心がけて授業を実施していくことが大切です。ただ、時にはフリートーキングでワイワイと楽しく授業を進めることも必要ですので、その様な時にさっと切り替えができるよう、特定の言葉かけや合図を決めて、切り替えられる練習もさせていくことが必要です。

3.【児童が集中できる時間】

前にもこのコーナーで紹介しましたが、低学年の児童が集中できる時間は、せいぜい10分程度です。中学年は15分、高学年でも20分程度です。
そこで、児童が集中できる時間を考えて、授業を構成していくことが必要です。また、この時間を目安に気分を変えたり、リラックスさせたりする活動を入れることも効果的です。

4.【本時の学習内容】

①本時で児童に理解させたいことは、1つか2つとし、あれもこれもと欲張らないようにしましょう。(欲張ると、全てが中途半端となり、結局何も分からずに終わってしまいことが多くあります)
②児童が今何をするのか、何を考えたらよいのかの指示を明確にして、板書にもはっきりわかるように示しましょう。
③児童が飽きないように、作業や動作を入れて、時には音楽や動画も使いましょう。また、静(黙る、見る、聞く時間)と動(作業する、話し合う、活動する時間)を交互に取り入れましょう。
④話の聞き方や話し合いの仕方を丁寧に教えておきましょう(隣の友達と・グループで・全体で)。これが身についていないと、「さあ、話し合ってごらん」といっても、どうしてよいかわからずに、黙って見つめ合っていたり、特定の児童が一人でしゃべっていたりして話し合いにはなりません。

5.【板書について】

①板書は、その時間に学んだことが一目でわかるように計画的に作成しましょう。板書は、本時のねらい⇒発問⇒児童の考え⇒今日学んだことのまとめ、が一目でわかるように、一度も消されることなく、板書を見れば今日の授業が一目でわかるようになっていることが大切です(児童は板書をよりどころにして現在の授業の進行状況を確認します)。

②教師が板書をする時は大きな字で書き、枠をつけて見やすくするとともに、できるだけ児童に背を向けずに書きましょう。
③+電子黒板等を使用する時には、照度を考えてカーテンや照明を消すなどしましょう。
④アイパット等を使用する時には、課題やまとめは全体にわかるように、前に大きく映しましょう。
⑤できるだけ児童がわかりやすく、また、興味・関心を持つことができるように、文字の色、絵、表、グラフ、写真、動画等を取り入れましょう。(チョークは赤色は見にくく黄色が見やすいです)

6.【教師の話し方】

①できる限りていねいにゆっくり、全員に聞こえる声で、抑揚や強弱をつけて話しましょう。(低学年では、口形を意識してはっきりと話します)
②全体を見回しながら、一人一人とできる限り目を合わせるように。視野は、最低120°くらいは必要で、160°見えれば最高です。
③授業中は教師も児童も敬体で話しましょう。
④叱る。注意する。をできるだけ減らし、ほめることを心掛けましょう。聞いていない、見ていない児童を注意するのではなく、聞いている、見ている児童を褒めるようにし全体に紹介しましょう。
⑤姿勢が悪い児童が多くいる時には10分に1回程度、姿勢に触れて直しましょう。
⑥前にも記載しましたが、教師は役者であることを忘れずに、できるだけオーバーリアクションを心掛けましょう。~してはダメです。黙りなさい。等、否定的な言葉かけはできるだけ避けましょう。(いえばいうほどダメになり、褒めれば褒めるほどよくなることを忘れずに。)