大分市立坂ノ市小学校

【公開日】2025年2月

独自のキャリア教育で子どもたちの視野を広げる!

坂ノ市小学校5年生担任 姫野先生

tobira開催3年目の大分市坂ノ市小学校! ドリームプロジェクトで質問がたくさん出る小学校です。 総合学習では、全員で様々な職業について調べ、こんな職業もあったんだ!と新たに知るきっかけを作ることはもちろん、各職業の深掘りをする学習もおこなっています。また、地域の方に職業のお話をしてもらうなど 様々な角度からキャリアを考える時間を設けている学校です。 今回は、子どもたちの視野を広げるためにキャリア教育をどのように進めているのか、お話をお伺いしました。

ー総合学習でのキャリア教育

本校では、学年ごとに総合学習のテーマを決めており、 5年生は「キャリアと職業」がテーマの一つです。まずは、「みんなが知っている職業はどんなものがある?」と質問し、子どもたちが知っている職業をたくさん挙げてもらいます。ダンサーや着ぐるみの仕事、お笑い芸人なども出ていました。その後、なりたい職業や気になる職業、これも職業かな?というものまで各自で調べ、その内容をクラスで共有します。友だちが調べた職業を見ることで知らなかった職業を知ることができ、「こんな職業もあるんだ!」という発見に繋げています。

ープロフェッショナル診断をフル活用!

総合の時間で職業を調べ終わった児童は、tobiraのプロフェッショナル診断も行います。子どもたちにとても好評です。例えば、電車の運転手になりたい児童に 「tobiraで登録している俳優と同じ資質がある」という診断が出て、「ちょっと俳優も調べてみる!」と違う職業にも興味を持って調べ始めていました。 また、診断結果を見て、自分では気が付かなかった自身の魅力を発見できた児童もいました。プロフェッショナル診断で自分では考えてもいなかった職業を提案されることで、新たな自分を知る機会にもなっています

ー地域と連携したキャリア教育

本校では地域で活躍する職業の方を招き、どんな仕事をしているのか、対面でお話をしてもらう取り組みも行っています。基本的には子どもたちが興味を持った分野の方に来てもらいます。 例えば、総合の時間に「ふるさとの川」について調べた際、「川をきれいにする方法を知りたい!」「でもどうやってきれいにするの?」という声が児童から挙がりました。そのため、浄化槽に関わる職業の方に来ていただき、川をきれいにするためにどんな仕事をしているのか、具体的なお話をしていただきました。公⺠館の館⻑さん、助産師さん、テレビ局の方にお話をしてもらったこともあります。このように年に2〜3名地元の講師をお招きしており、地域の方との繋がりが深いことも本校の強みの一つです。

ーなりたい職業ではなく、目指す大人像

本校では、4年生の時に子どもたち主体で「10歳の集い」を開催します。その中で将来就いてみたい職業を考える時間があるのですが、「やってみたい仕事が思いつかない」と困る児童がたくさんいます。そのため、5年生の学習「キャリアと職業」では、身の回りには様々な職業の人がいて支えられていることに気付き、様々な職業に興味を持つようにすることを意識して計画を立てるようにしています。学習のまとめも「インターネットや本で 調べてみて気になった職業」「友達の発表を聞いて気になった職業」「ドリームプロジェクトで気になった職業」で各一つ以上職業を選び、それらに共通する「必要な力」をまとめるようにしています。なりたい職業を考えるのではなく、自分の目指す大人像と、そのような大人になるためにはどのような力をつけていけば良いかを考えることが大切だと思っています。

ーtobira実施前と実施後の児童の変化とこれからのキャリア学習

プロフェッショナルの話を聞いて、子どもたちからは「もっと人と話してみようと思った」「夏休みや冬休みに向けて計画を立て、それを実行できるようになりたい」「すぐに諦める癖を直したい」など、実践しやすい前向きな目標が挙がりました。また、イラストレーターやウェディングプランナーに興味がある児童が、それらの職業は発想力やアイデアをたくさん出せることも大切だと知り、係や委員会で「もっとこうしたい!」などの発言が増えるなど、行動に変化があった児童もいます。子どもたちは、学んだことを自分ごととしてしっかりと受け止め、素直に実践しようとしている様子が見られます。 キャリア教育は、教員の指導だけでは限界があるので、私たち教員が知らないことでも、プロフェッショ ナルから教わることができる環境を積極的に作っていきたいと思っています。