フラワーデザイナー 池嶋 美香子 先生

【公開日】2025年2月

植物やお花は、私達と同じく生きている存在。一緒に誰かを喜ばせてあげる同志として「ありがとう」の気持ちを忘れないでいて欲しい

ーこれまでのキャリアを教えてください

フラワーデザイナーとして、高級腕時計フランクミュラーの広告やゼクシー等雑誌の撮影でお花の装飾を手掛けている。国際会議やホテル・レストランなど、大掛かりな空間装飾も得意。

現在は絵画や執筆など芸術の幅を広げ、2025年は音楽と絵画を融合したコンサートに画家として出演されるなど、多方面で活躍中。

ーこれまでのキャリアを教えてください

大学卒業後、子供の頃からの夢『キャビンアテンダント』として空の上でお仕事をしていました。結婚・引越しを機に退職、2つ目の夢だった『お花屋さん』になるため、花の会社やイベント会社で結婚式の花装飾を担当したり、国際会議の経験を重ねました。この仕事を極めるためには一度基礎からデザインを学んだほうが良いと感じ、働きながら大学院で学び、創造技術技工士の学位を取得。2013年に株式会社BOURGEON(ブルジョン)を設立してフラワーデザイナーとして独り立ちしました。

ーフラワーデザイナーとして一番思い出に残っているお仕事は?

tobiraの授業でも何度かお伝えしたことがあるのですが、とある結婚式でのリクエストが今も忘れられません。

ご新婦様の亡くなったお父様が牡丹(ボタン)の花が好きだったので、結婚式でお父様の席に牡丹を飾りたいと希望された時のことです。プロとして是非ともお受けしたいご依頼でしたが、お花は自然のもの。牡丹は季節を過ぎていて、沖縄から北海道まで探しましたが、手に入れることができませんでした。それでも諦められず探し続け、 結婚式の1か月前にやっと一鉢見つけることができました。まだ小さな蕾の牡丹の鉢植え。

結婚式に合わせて上手く咲いてくれるか心配でしたが、 日に当て、温度管理をし、毎日話しかけたところ、 お父様がお祝いに駆けつけてくれたのではと思うほどに、式の当日ちょうど3輪見事に咲いてくれて、両家とご新郎ご新婦様のお席に1輪ずつ、飾ることができました。この季節外れの牡丹の花、ご新婦様とご家族にとってどれだけ大きな意味があることでしょう。天国のお父様への想いを牡丹の花に重ね、人生の新たな門出を踏み出せるのです。 1年後、10年後、50年後にアルバムを紐解いた時に、その牡丹の花は鮮やかに、思い出とともに蘇ります。

人生の大切な時をお花と一緒に喜んでいただけたことがフラワーデザイナーとして 最高の喜びで、とてもやりがいを感じたことを、今でも忘れることができません。

ー小さい頃はどんな子どもでしたか?身につけて良かった習慣は?

人前に出るのが苦手な子どもでした。しかし、なぜか学校の先生からの推薦でいつも学級委員長や生徒会を任されたり、合唱コンクールや卒業式などではピアノの伴奏者のお役目が回ってきてました。

ピアノは毎日練習していましたが、緊張すると頭が真っ白になって指が止まるので、私のクラスは大切な本番ではいつもアカペラでした。人前に出るのが苦手だと思いながらも、運動会や学校行事では全校生徒の前で話す機会も多く、苦手なことでも嫌がらずに引き受けてチャレンジしていたように思います。

また、子どもの頃に身についた習慣で仕事をする上で今も役に立っているのは『早起きとジョギング』。お花を扱う仕事は実はとってもハードですが、早起きして朝市へお花を仕入れに行くことも、仕入れたお花を運ぶ力仕事もへっちゃらです!

ー思い出に残る担任の先生とのエピソード

小学生の時の担任の先生との思い出です。当時、大学を卒業したばかりの新米先生が私は大好きでした。そんな先生のクラスで「いじめ」が起きてしまったのです。

いじめられたのは1人の女の子、原因は彼女の容姿でした。私は彼女自身に非がないのにいじめられるのはおかしいと思い、ある日勇気を出して彼女を庇いました。その結果、次の日から私がいじめのターゲットに。

担任の先生の助けもあって3ヶ月ほどでいじめはなくなったのですが、無視されたり、言葉一つでこんなにも悲しい想いをすることを知り、いじめを見る側と受ける側両方の経験をしたことは、私自身をより深く大きく成長させてくれたと思います。

自分にとっては辛く悲しい期間でしたが、それでも勇気を出して良かったと思えるのは、担任の先生が私の母に伝えた「勇気ある行動に助けられた」という言葉のおかげです。

保護者や先生などの大人が入っても解決が難しいデリケートな子供同士のいじめ問題、当事者だった子どもの私が勇気を出したことで、解決の糸口を作ることができたと思えたからです。この時の担任の先生とは40年近く経つ今でも連絡を取り合っていていますが、今でも大好きな先生です。

ーフラワーデザイナーとしてのお願い。授業で取り入れてほしいこと

植物やお花は、私達と同じく生きている存在です。もっと言えば、自然や植物のおかげで私達は生きることができています。

植物やお花をモノとして扱うのではなく、一緒に誰かを喜ばせてあげる同志として「ありがとう」の気持ちを忘れないでいて欲しいです。 

都会の学校では特に、自然に触れる機会が少ないかもしれません。「今日、学校に来る途中にどんな植物が生えてましたか?」など、子ども達が四季折々の変化に気づくことができる話題をクラスの中で取り入れて欲しいと思います。

ー子どもの頃に担当してくれた学校の先生へ。今、伝えたいこと

当時田舎だったこともあり、先生の家へみんなで遊びに行って料理を作ってもらったり、スケート場に連れて行ってもらったり、そして放課後は部活動を担当してくれたり、先生にも家族があるのに、私達とたくさんの時間を一緒に過ごしてくれました。

大人になった今、先生は私達だけではなく保護者や先生同士との人間関係もあったことに気づき、そんな中でいつも誰に対しても愛情深く接してくださったことを思い返すと、感謝の気持ちでいっぱいです。大人になった今、『恩送り』 の言葉を心に、先生に頂いたたくさんの恩を、私も未来につなげていける生き方をしていきます。 

心からの感謝を込めて。ありがとうございました。