弁護士 ⻘木 祐也 先生

【公開日】2025年6月

弁護士の仕事には粘り強く学び続ける姿勢や、自分の行動を振り返り改善していく力が不可欠です!

ープロフィール

弁護士 青木祐也 先生

茨城県出身。早稲田大学法学部、同大学院法務研究 科を卒業後、司法試験に合格。 複数の法律事務所での勤務を経て、現 在はAI-EI法律事務所に所属。 

主に、労働・雇用分野、企業間訴訟、 顧問先企業の法務対応を担当。 

ーこれまでのキャリアを教えてください

中学から高校初期までは歴史に強い関心があり、将来は歴史学者を目指していました。しかし進路を真剣に考える中で現実の厳しさや理想とのギャップに気づき、他の道を模索し始めました。

そんな折、企業再建に取り組む倒産専門の弁護士を紹介するテレビ番組を観て、法律の力で人や組織を支える仕事に魅力を感じ、弁護士を志すようになりました。

大学進学後は一時モチベーションを失った時期もありましたが、法律事務所の見学で奮闘する弁護士の姿に触れ、初心を思い出して努力を重ね司法試験に合格し、 1年間の司法修習を経て、現在は弁護士として日々の業務に取り組んでいます。

ー弁護士として一番思い出に残っているお仕事は?

私が弁護士として最も印象に残っている仕事は、1年目に担当した初の国選弁護事件です。初めて一人で全てを任された案件で、今でも強く記憶に残っています。

この事件で依頼者は友人と一緒にいた際に職務質問を受け、友人の大麻所持が発覚したため共犯として逮捕されました。最初の接見で依頼者は、「友人が大麻を持っていたとは知らなかった」と一貫して無実を主張し、私はその言葉を信じて全力で弁護に取り組むと決めました。まず、取調べで不利な発言を避けるため黙秘権を行使するよう助言し、また、勾留中の不安を和らげるために毎日警察署に通い接見を続けました。並行して検察官と面談を重ね、証拠に基づき依頼者が所持を知らなかったことを粘り強く説明し続けました。結果、依頼者は釈放され不起訴処分となり、釈放時の感謝の言葉は大きなやりがいでした。

この経験は弁護士としての責任とやりがいを実感させられ、一人でやり遂げた自信は、その後の業務の大きな励みとなりました。

ー小さい頃はどんな子どもでしたか?身につけて良かった習慣は?

子どもの頃、歴史に関しては誰よりも詳しかったです。特に戦国時代の鎧武者が戦う姿に夢中になり、日本史検定2級にも合格しました。また、小学3年生から剣道を始め、稽古を重ねた結果、中学生以降は地区大会で入賞するなど多少なりとも文武両道を体現できました。

一方で足が遅く体も硬かったため、剣道以外のスポーツ全般は苦手でした。特に柔軟性が求められる体操などは苦戦し、体育の授業ではとても苦労しました。ただ、剣道である程度の成果を出せていたことで自信を持つことができ、他の競技が苦手でも気落ちせず、前向きに体育の授業に取り組めました。

性格的には、好きなことにはとことん打ち込むタイプの子どもでした。

ー思い出に残る担任の先生とのエピソード

中学校時代の特に印象に残っているのは剣道部の先生との思い出です。

小学生の頃は剣道があまり強くなく、試合で勝つことがなかなかできませんでした。中学に進学してからの先生は非常に厳しく練習も小学校時代とは比べものにならないほどハードで、うまくいかずに怒られることも多々ありました。しかし、先生との稽古を通じて的確なアドバイスをいただき、それをもとに他校の選手や 先輩と稽古や試合を重ねるうちに、少しずつ一本を取れるようになり確かな手応えを感じるようになりました。地道な努力の結果、中学2年生の時に市の大会で個人戦3位に入賞することができました。

この経験から、「努力は必ず報われる」と実感し、剣道だけでなく勉強にも真剣に取り組むようになりました。中学時代の先生との出会いと経験は、今の自分が弁護士として歩む土台となっていると感じています。

ー弁護士を目指す子どもたちにできるサポート

子どもたちが好きな分野で何らかの成果を出せるよう背中を押してあげることが大切です。

弁護士の仕事には粘り強く学び続ける姿勢や、自分の行動を振り返り改善していく力が不可欠です。例えば、絵が好きな子には単に褒めるだけでなく、何かの賞に応募することを勧めるなど成果を実感できる機会を与えてほしいのです。入賞すれば自信に繋がり、結果が出なかったとしても反省と改善の姿勢を身につけるきっかけになります。

こうした経験の積み重ねが、弁護士に必要な力を育てると考えています。

ー子どもの頃に担当してくれた学校の先生へ。今、伝えたいこと

学生時代、私は歴史の授業で自分の知識をひけらかそうと、先走って発言し授業を脱線させることもありました。また、剣道部では思うような結果が出ず気持ちが折れてしまうことも多く、同期や後輩と衝突することもありました。そのため、自分ではかなり生意気で扱いづらい生徒だったと自覚しています。

しかし、そんな未熟な私を先生方は見放すことなく、時には厳しく、時には温かく接し、私の⻑所を認めてくださいました。先生方のおかげで、学ぶことの楽しさや物事に向き合い努力することの大切さを知ることができました。

特にうまくいかない時も諦めずに努力を続ける姿勢は、現在の仕事においても大きな支えとなっています。先生方の指導のもと育まれた考え方や姿勢が、弁護士としての土台となり、今の自分を形作っています。