【公開日】2025年10月
高校3年生が企画から運営まで!生徒による生徒のためのキャリア教育

さいたま市立大宮国際中等教育学校高校3年生 横田さん
ある日、tobiraに届いた一通のメッセージ。
送り主はなんと、「キャリア教育」を探究している高校3年生で、自身の学校でtobiraを開催したいという依頼でした。
主体的な学びを 重んじて実践している学校で、私たちとのオンライン会議から企 画・開催まで、学校の先生が出ることはなく、すべて高校3年生の横田さんが主導されました。
今回はそんな横田さんに、開催に至るまでの経緯や、キャリア教育に込めた想い、そしてこれからの進路についてもお伺いしました!
ー自身のキャリアを意識したきっかけは?
本格的にキャリアについて考え始めたのは高校1年生の時ですが、意識し始めたのは中学生の頃です。
きっかけは、学校が主催したキャリアをテーマにしたワークショップに参加したことでした。
当時、「将来この職業に就きたい!」という具体的な目標はなかったのですが、実際に社会人や大学生の方のお話を聞くことで、将来を考えるきっかけやヒントを得ることができました。
今もまだ「これがやりたい」とはっきり決まっているわけではありませんが、自身のキャリアについて継続的に考えることができる環境を意識してつくっています。
ーtobiraとの出会いは?
中学生で参加したワークショップでの学びもあり、高校では3年かけて探究する自身のテーマに「キャリア教育」を選びました。
高校2年生になった頃、自分ひとりで探究することに手詰まりを感じるようになり、学校の先生に相談したところ、「外部の人と関わってみたら?」とアドバイ スをいただき、キャリア教育に関わる企業を調べることにしました。
その中で、tobiraが経済産業省のキャ リア教育アワード(2023年)の最優秀賞を受賞していることを知り、「一度コンタクトしてみよう!」と思い、メールをお送りしました。
ーtobira開催当日の様子は?
学校のカリキュラムの中でイベント授業があり、そちらでtobiraを開催しました。
中学1年生から高校3年生まで対象を広くして呼びかけ、興味のある生徒に集まってもらいました。
職業は事前にアンケートを取り、小児科医と弁護士に決まりました。家族に医療従事者がいたり、弁護士や検察官を目指している生徒もいたので、現時点で目標としている職業の話を直接聞きたいという声が多かったのだと思います。
円滑に進められるよう、事前に質問も募集したため、当日はたくさん質問することができ、各職業の深いところまで知ることができました。
ー苦労したこと工夫したことは?
tobiraを開催するにあたり、サポートしてくださる先生はいましたが、担当する生徒は私一人だったので、広報活動には苦労しました。
イベント授業は同時に色々開催されていて、参加するしない含めて全て各生徒が自由に選べます。
将来の夢がまだ決まっていなくてキャリアに興味がない人や、その時間を受験勉強や遊びに使う人も多く、最初は一部の生徒しか集まりませんでした。
そのため、周りに呼びかけたり、下の学年のクラスを回って宣伝したり、チラシを貼ってもらいました。
当日も直前まで呼び込みを行い、 tobiraを開催することを学校全体に周知しました。
ーご自身で主催してみていかがでしたか?
企業への連絡は初めてで、とても緊張しました。
メールも最初は国語の先生に確認しながら進めました。
オンラインでの打合せも初体験でしたが、スタッフの皆さんがとても温かく迎えてくださったので、安心できました。
説明を聞いて本当に良いプログラムだと思い、tobiraをもっと広め、自分の探究プロジェクトを発展させたいという思いから、近隣の小中学校へ開催依頼の コンタクトを取りました。
断られてしまったのですが、良いものだからといって簡単には受け入れてもらえない 現実を知ることができました。
tobiraの開催を企画運営できたことは自身の大きな力になり、また、社会貢献ができたという達成感も得ることができました。
ーこれからの進路やキャリア教育について
将来やりたいことは、まだ決まっていませんが、以前から教育には興味があり、最近は海外に行ってみたいという想いも芽生えてきました。
なので、現時点では教育と海外を組み合わせて将来何かできたらと思っています。
キャリア教育については、少しパターン化している印象を受けます。
多くの学校で職業体験は行っていますが、自分の興味のある職業を必ず体験できるわけではありません。
tobiraのように生徒各自が興味を持った職業の話を聞くことができると、生徒にとってより良い学びになると思います。
また、これこそが生徒のための本当の キャリア教育なのではないかと感じています。